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解剖学を悪者にする正体は?

解剖学を悪者にする正体は?

ダンサーが踊っているとき、「梨状筋」は、脚の高さによって

外旋筋
内旋筋
・内旋・外旋に関与しない

と役割が変わります。

それに対して、

解剖学的には、梨状筋は外旋筋

と、とてもシンプル。

この違いはどこから来るのでしょうか?

それは基準の違いです。

ダンサーが知りたいのは

踊っているときにどの筋肉を使うのか?

ですよね。

基準は「踊っているとき」です(基準A)。

時々刻々関節の角度が変わり続ける中での話です。

それに対して、解剖学が扱うのは

ある決められた、たった一つの姿勢

です。

基準は「たった1つの姿勢」です(基準B)。

この「たった一つの姿勢」って、どういう姿勢かご存知ですか?

それは解剖学とはそもそも何なのか、を考えると出てきます。

解剖学って、検体を切り開いて観察した結果ですよね。

生きて動き回っている人ではありません。怖っ(,,゚Д゚)

検体をベッドに仰向けに寝かせたときの姿勢を想像してみてください。

天井から見たら、こんな感じですよね。怖っ(,,゚Д゚)

これが、解剖学での基準(基準B)です。

解剖学的肢位とか言ったりします。

この基準Bからの動きに対して、

外転
外旋
屈曲
伸展

と、動きの呼び名が付けられています。

股関節の外旋も、この

基準Bから太ももを外に回す動き

のことです。

そして、その動きを作る筋肉

股関節の外旋筋

と分類されるわけです。

脚を前に60度でもないし、
90度でもない。
生きてないので (^^;

だから、

ダンサーが知りたい基準Aと
解剖学の基準Bは
別物

となります。

違う物差しで一つのことを語ろうするので噛み合いません。

だから、解剖学セミナーとかで、基準Bの知識を仕入れて、レッスンにそのまま持ち込むのはかなり無理がある。

なぜなら、レッスンの基準はBではなくAだから。

結果的に、

実際のダンサーの身体とかけ離れたことを、もっともらしく語っている

という状況が、簡単に出来上がってしまうわけです。

解剖学を学ぶと、動きの仕組み分かったような気がしますよね。

でも、それは、たった一つの姿勢を一般化したようなもの。

身近な一人を取り上げて、

男って●●よね! とか

女って●●よね! とか

言ってしまうのと似ているかも。

男にも色々いる。
女にも色々いる。

ダンサーの身体や動きも、そんなに単純化しては事実を見誤ります。

解剖学で動きを語ると端折り過ぎになってしまう

状況がお分かりいただけるでしょうか?

一応、解剖学を弁護しておくと、

解剖学が悪いわけではありません

期待値が高くて(危険な予感 ^^;)

「これだ!」

と飛びついてしまう。

元凶はそっちです。

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

長岐裕之

 

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