fbpx

解剖学は端折りすぎ

解剖学は端折りすぎ

日本でバレエ指導をするなら

1) 伝統に忠実であろうとするのか
2) バレエ以外の知識を取り入れようとするのか

この2つのうち事実上

2) バレエ以外の知識を取り入れようとするのか

こちらしかない、とお話しました。

そこに入ってきた解剖学

でも、ここに「そもそもな問題」が二つありあり、その一つ目は、

■解剖学が教えてくれないこと1
そもそもどの動きも特定の筋肉を意識して行われていない。

でしたね。

片脚を動かすにも、最低200個の筋肉が活動するそうです。

バットマン・タンデュ・ドゥバンに脚を出すとき、200個も意識してますか? 

多分してないですよね。

この問題は、

プリンシパルになれる人となれない人の違い

につながります。
これは後日の話題に。

■解剖学が教えてくれないこと2

解剖学導入にともなう二つ目の問題。それは、

端折り過ぎ

です。

「えっ⁈ 解剖学の本というとあんなに分厚くて膨大な情報量があるのに、何処が端折り過ぎなの?」

と怒らないでくださいね(~_~;)

結論から言うと、「端折り過ぎ」です。

バレエのための解剖学講座ではお約束の外旋六筋を例に説明します。

「外旋」させる「六個の筋肉」

のことです。

「外旋」

とは、大腿骨を外に向かって回す股関節の動きです。

前を向いていた膝が、外に向かうように太ももが回る動きです。

骨は自分からは動きません。

筋肉に引っ張られて動きます。

この股関節で、大腿骨を外旋方向に引張る筋肉の中に

「梨状筋」

と呼ばれる梨のような形の筋肉があります。

ダンサーが膝が前向きのパラレルで立っているときに、この梨状筋に力を入れると、大腿骨は外旋します。

膝が外を向き始めるという意味です。

では、
バットマン・フォンデュ・デベロッペや
アチチュード
などをして、
太ももが前に60度くらい上がったとします。

バレエ的には、このときもターンアウトはしっかり行うように指導されますね。

でも、このとき梨状筋は外旋に参加していません。

もう少し正確に言うと、

脚をパラレルのまま前に60度くらいに上げたところで、梨状筋に力を入れても太ももは外旋しません。

パラレルのままです。

外旋筋なのに何で?

て思いますよね。

脚をさらに上げて、90度まで前に上げたとします。

ここで梨状筋に力を入れると、今度は太ももは逆に内旋します。

外旋筋なのに何で?

ですよね。

もう一度整理します。

膝を前に向けて(パラレルに)立っているところからスタートするとして、次の3パターンがあります。

1) 脚を前に0度(上げてない。立ったまま)で、梨状筋に力を入れると太ももは外旋します

2) 脚を前に60度上げて、梨状筋に力を入れても太ももは外旋しません

3) 脚を前に90度上げて、梨状筋に力を入れると太ももは内旋します

「梨状筋」という同じ筋肉でも、脚の高さによって

・外旋筋になったり
・内旋筋になったり
・内旋・外旋に関与しなかったり

と役割が変わります。

ややこしいけど、これが実際にダンサーの体で起きていること。

これを解説している動画を見つけました。
こちらをご覧ください。

それに対して、解剖学の本には、

「梨状筋は外旋筋」
「梨状筋は外旋六筋の一つ」
「梨状筋は外旋六筋の中でもっとも太く外旋作用が強い」

などと書かれています。

つまり、

解剖学的には、梨状筋は外旋筋

なんです。

とてもシンプルで分かりやすい。

これ、おかしいと思いませんか?

つづく。

https://balletup.com/?portfolio=who-makes-anatomy-useless

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

長岐裕之

 

バレエの「教え力」と「教室経営力」をアップさせるメルマガ『バレエのせんせい通信』のご登録はこちら


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください