個人でバレエ教室を経営していると、集客から教え、経理、保護者対応など、教室運営に必要な業務のほとんどすべてを一人でこなさなければなりません。

それが出来る人のみがバレエ教室を経営できると言っても過言ではないかも知れません。

だから、基本的に器用に何でもこなせるマルチな方が多い。

それは、３０年前でも今でも変わらないと思います。

ただし、３０年前と明らかに違うのは、IT技術の発達です。

パソコンやスマホの技術が飛躍的に進化したため、以前は手が出せなかった領域まで教室経営者が手が出せるようになってしまった。

たとえば、通信手段。

３０年前なら、電話、FAX、手紙が一般的だったでしょう。

でも、今なら、メール、FacebookやLINEなどのメッセージ、それらの無料電話、クラウドを介した写真や文章の共有など。

選択肢が大幅に増えています。

便利といえば便利ですが、使い方を覚えるのが一苦労だったりします。

また、３０年前にチラシを作ろうとしたら、手作りかデザイナーに依頼していたものが、ワープロやデザインソフトで１から作れたり、プロ級のデザインテンプレートを選んで文字や写真をはめ込んだり。

やろうと思えばできてしまう。

しかも、高性能プリンターで自前で印刷できてしまったり。あるいは、ネット印刷に発注できたり。

これも便利に色々できるのですが、それぞれ操作方法を覚えるのは結構大変だと思います。

バージョンアップすると、せっかく覚えた操作画面が変わってしまって覚え直さないといけなくなったり。

と言った具合で、教室業務が広がる傾向にあるので、トータルの作業量は増える一方です。

すると、能力の高いマルチなバレエ教室経営者に待っている結果は、一言で言うと

「時給の低下」

です。

ソフトや機器の試行錯誤の時間も労働時間です。

プリンターの調子が悪くなったり、パソコンの動作が不安定になったりして、それに対応する時間も労働時間です。

なので、気がつくと

「時給が最低賃金より安くなっている」

何てことに。

ご自身の収入を労働時間で割ってみてください。

東京都の最低賃金は、平成29年4月現在932円です。

これより上ですか？

コンビニのバイトのほうが時給が良い、何てことになっていませんか？

自営業の時給が安くなる原因は大抵経営者がマルチであることに起因します。

マルチにこなせるけど、個々に見ればその道のエキスパートには及ばない。

特に、IT関係の作業だと10倍以上スピードに違いが出ていることもあると思います。

しかも、クオリティでも負けていたり。。

そうなる原因は、

「ちょっと頑張れば出来るから」

と何でも自分でやろうとするからです。

HPやブログの更新、Facebookやツイッターの投稿も同じです。

どれも自分で済ませることはできますが、確実に時間が奪われます。

こういった無料のサービスは、とても大事な自分の時間を消費します。

確かに経費は抑えられますが、それと引き換えにご自身の時給が下がります。

それって本末転倒ではないですか？

コンビニのバイトより安い仕事になっていたらちょっと考えたほうがいいですね。

バレエ教室の経営者の価値はもっと高いはず。

コンビニのバイトになるには何の下積みもいりません（当方も高校生の時、コンビニでバイトしてました）。

少なくともバレエの先生になるまでに投じた時間とお金と努力は回収しないとね。

そのためには、働く時間を短くして、利益を大きくするしかありません。

聞いた話ですが、１００円ショップの最大手ダイソー社長矢野博丈氏は実務は自分ではやらないそうです。

ご本人によると「自分では何もできないから」と。

真偽の程は分かりませんが、経営者自らは実務をしないで業界最大手になってしまった。

ホリエモンこと堀江貴文氏も、実務は一切やらないそうです。

こちらは意図的に「やらない」と決めている。

バレエ教室経営者も、この発想は参考にして良いのでは？

「あえてやらない。」

そのために何が出来るか？
どの作業ならやらずに済ませられるか？

ぜひ考えてみてください。

この話題、バレエ教室の業績にも、経営者のクオリティ・オブ・ライフにも直結するものなので、当方の工夫を紹介しつつ、今後も取り上げていきます。

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

バレエ上達ナビゲーター　長岐

 

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